~新製品が、公平なベンチマーク評価となるEEMBCのULPMark -CPスコアで705の認証取得~
2020年7月2日

ルネサス エレクトロニクス株式会社

ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO:柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、SOTBTM(Silicon On Thin Buried Oxide)プロセス技術を採用したArm® Cortex®-M0+コア搭載の超低消費電力な組み込みコントローラ「REファミリ」の「RE01グループ」ラインアップに、従来の1.5MB(メガバイト)メモリ搭載品に加えて、256KB(キロバイト)のフラッシュメモリを搭載した新製品を揃えました。パッケージサイズも従来約4mm角(4.27 x 4.47mm)が最小でしたが、今回約3mm角(3.16mm x 2.88mm)のパッケージを用意しましたので、より小型の機器に搭載可能です。

EEMBC(Embedded Microprocessor Benchmark Consortium)は、ベンチマークの標準化を推進する非営利の業界団体で、認定スコアは複数メーカ製品の性能を公平に評価するためのデータとして広く知られています。本新製品は、2020年4月、EEMBCのULPMarkTM -CP(CoreProfile)スコアで、705の認証を取得したことから、世界トップクラスのエネルギー効率であることが公平な目で実証されました。この高いスコアは、動作時、スタンバイ時共に超低消費電力を実現するSOTBプロセス技術によって実現されました。

本新製品の消費電流は動作時25μA/MHz、スタンバイ時400nAと世界トップクラスの超低消費電流です。さらに、ルネサスの超低Iq DC/DCコンバータISL9123を外部の降圧レギュレータとして使用することにより、動作時の電流は12μA/MHzとさらなる低消費電力化を実現することが可能です。

REファミリは、その超低消費電力性能により、組み込み機器のバッテリ寿命を大幅に延長することが可能です。さらに、わずかな電流しか供給できない小型電池やエナジーハーベスト(環境発電)においても、複数のセンサデータをリアルタイム処理するなど高速動作を可能とします。従来の1.5MBメモリ搭載品は、画像データや無線通信でのFWアップデートで大容量メモリが必要なアプリケーションに適していますが、新製品はスマートホーム、スマートビルディング、環境センシング、構造物モニタリング、トラッカー、ウェアラブル機器など、主にセンサ制御用のIoT機器に適しています。すでにサンプル出荷を開始しており、量産出荷は2020年7月末を予定しています。参考価格は、64ピンLQFPパッケージ品「R7F0E01082CFM」で10,000個一括購入時、3.33米ドル/個(税別)です。

ルネサスの執行役員 兼 IoT・インフラ事業本部、SoCビジネスユニット長の新田啓人は次のように述べています。「今回、新製品の低消費電力性能が公式に認定されたことを非常に嬉しく思います。今後、REファミリの採用が広がることにより、組み込み機器のバッテリ寿命が延長され、より多くのお客様が電池のメンテナンスから解放されることを期待しています。」

RE01グループ新製品「R7F0E01x82xxx」の主な特長は次の通りです。

  • Arm Cortex®-M0+コアを搭載、最大動作周波数64MHz
  • 256KBのフラッシュメモリ、128KBのSRAMを搭載
  • 動作電流:25µA/MHz(内蔵LDO使用時)、12µA/MHz(外部DC/DC使用時)
  • スタンバイ電流:400nA
  • 動作電圧は1.62V~3.6Vで、1.62Vから最大64MHzの高速動作が可能
  • 約3mm角の72ピンWLBGA、7mm角の56ピンQFN、14mm角の100ピンおよび10mm角の64ピンLQFPのパッケージをラインアップ
  • エナジーハーベスト制御回路搭載(コンデンサ充電高速起動、二次電池充電保護機能)
  • 約4µAの超低消費電力14ビットA/Dコンバータを搭載
  • 約0.6mAでのフラッシュ書き換えが可能
  • トラステッドセキュアIP搭載の強固なセキュリティ機能
  • [email protected]で駆動するRTC(Real Time Clock)

開発環境について

 エナジーハーベストシステムを含む、全周辺機能をユーザーシステムと組み合わせて評価可能な評価キット「EK-RE01 256KB」を2020年8月末に発売予定です。本キットに含まれる評価ボードには超低Iq DC/DCコンバータISL9123を搭載しており12μA/MHzの極めて低い動作電流を実測可能です。また、エナジーハーベストシステムに必要なエナジーハーベスト素子用インタフェース、二次電池接続用インタフェースに加え、センサボードなどを容易に拡張評価するためのArduino互換インタフェースや、無線などを拡張評価するためのPmodTMコネクタを搭載しています。

 開発ツールは、IAR C/C++コンパイラが利用可能なIAR Embedded Workbench® for Arm と、無償のGNUコンパイラが利用可能なe2 studioに対応しています。

 ソフトウェアは、Arm®のソフトウェアインタフェース規格 CMSIS(Cortex Microcontroller Software Interface. Standard)に対応するドライバソフトウェアを用意しています。ドライバソフトウェアのオーバーヘッドによる電力ロスを許容できない低消費電力用途に向けて、ローレベルサンプルコードも用意しています。

 ルネサスは今後も、SOTB技術を核にREファミリのラインアップを強化し、低消費電力なシステム開発を支援することにより、環境に配慮したスマート社会の実現を目指します。

REファミリについての詳細は、こちらをご覧ください。

https://www.renesas.com/products/microcontrollers-microprocessors/re.html

EEMBC ULPMarkTMについては、こちらをご覧ください。

https://www.eembc.org/ulpmark/

以 上

*Arm、CortexはArm Limitedの登録商標または商標です。

*ULPMark is a trademark and EEMBC is a registered trademark of the Embedded Microprocessor Benchmark Consortium.

*IAR Embedded WorkbenchはIAR Systems ABが所有権を有する商標または登録商標です。

*SOTBは、ルネサスエレクトロニクス株式会社の米国およびその他の国における登録商標です。

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


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